チリで持ち家を目指す人の DS1 住宅補助ガイド|外国人が見るべき条件と準備
結論
チリで長く住むつもりなら、賃貸だけでなく持ち家取得を早めに視野に入れる価値があります。 その中で代表的な制度が Subsidio Clase Media DS1 です。
結論からいうと、外国人家庭にとって DS1 は十分に検討価値のある制度ですが、「収入があれば申し込める制度」ではなく、「RSH、住宅貯蓄、UF基準、非持ち家要件をそろえて初めて使える制度」 だと理解したほうが実務的です。 特に、家を買う場合と自己所有地に建てる場合で見るべき要件が少し違うため、そこを最初に切り分ける必要があります。
また、2026年4月時点で ChileAtiende 上の直近募集情報では、2025年募集は終了済みで、異議申立て期限が 2026年4月22日 18時までと案内されています。 つまり、制度自体は生きていますが、募集窓は常時開いているわけではなく、募集前に準備を終えている人が有利 です。
前提
ChileAtiende と MINVU の案内では、DS1 は 自宅を持っていない家族で、一定の貯蓄能力があり、自己資金や必要に応じて住宅ローンを組み合わせて住宅取得を目指す人向け の制度です。 購入向けの Tramo 1・3、建築向けの Tramo 2・3 などがあり、物件価格上限や求められる貯蓄額が違います。
たとえば、購入向け Tramo 1 は 1,100 UF までの住宅、Tramo 3 は 2,200 UF までの住宅 が対象です。 一方、建築向けでも Tramo 2 は 1,600 UF まで、Tramo 3 は 2,200 UF まで といった上限が示されています。 さらに、住宅貯蓄口座の最低貯蓄額や口座保有期間も要件に含まれます。
また、DS1 の要件では Registro Social de Hogares(RSH) が非常に重要です。 ChileAtiende の案内でも、少なくとも購入向け Tramo 3 では RSH 80% 以下、高齢者は 90% 以下 といった条件が示されています。 つまり、前の記事で扱った RSH 登録が、持ち家制度でも直結してきます。
実際の流れ
実務では、次の順で考えると整理しやすいです。
- 1まず「買う」のか「自分の土地に建てる」のかを決める
- 2自分の世帯が住宅非所有要件を満たすか確認する
- 3RSH に登録し、自分の tramo を確認する
- 4vivienda 用の ahorro 口座を作り、必要 UF を積む
- 5口座保有期間の条件を満たすよう早めに準備する
- 6自分が狙う Tramo の物件価格上限を確認する
- 7自己資金と必要なら crédito hipotecario の見込みを立てる
- 8募集時期が来たら MINVU / ChileAtiende の案内に沿って postulación する
ここで一番大事なのは、募集開始前に準備が終わっているか です。 DS1 は申し込み時に急いで口座を作れば済む制度ではありません。 住宅貯蓄口座の最低保有期間や、最後の月末時点で必要 UF が入っていることなど、前倒し準備が必要です。
また、外国人家庭では「在留が落ち着いてから」と考えがちですが、RSH や住宅貯蓄は先に動かしておける部分があります。 持ち家を中期目標に置くなら、今すぐ買わないとしても準備だけは始める価値があります。
よくある失敗
最も多いのは、DS1 を“その場で応募する補助金”だと思うこと です。 実際には、RSH と住宅貯蓄の準備に時間がかかるため、募集が出てから動くと間に合わないことが多いです。
次に多いのは、UF 上限だけ見て、自分の tramo や貯蓄額を見ないこと です。 物件価格だけ合っていても、必要な ahorro や RSH 区分が合っていなければ進めません。
他にもよくある失敗は次の通りです。
- 購入用と建築用の制度を混同する
- RSH を後回しにする
- 住宅貯蓄口座の経過月数を見ていない
- 物件価格上限だけで候補物件を選ぶ
- ローン併用可能性を検討しない
- 募集終了後に初めて準備を始める
注意点
DS1 は非常に魅力的ですが、採択されたら自動で家が買える制度ではありません。 自己資金、場合によっては crédito hipotecario、そして条件に合う物件選びまで含めて初めて現実化します。
また、外国人家庭にとっては、在留安定性、収入証明、金融機関との関係も実務上は重要です。 制度上申し込めることと、実際に購入を完結できることは別問題です。 そのため、DS1 は補助制度だけでなく、家計計画と信用形成の一部 として考えるべきです。
さらに、2026年4月時点で直近募集は締切後の状態です。 これは逆に言えば、次の募集までに準備を進める時間があるということでもあります。
判断基準
次のような人は、DS1 を前向きに検討する価値があります。
- チリで中長期的に住む予定がある
- すでに RSH に入っている
- 持ち家取得を数年以内に考えている
- 住宅用 ahorro を積める
- 非持ち家要件を満たしている
- 自己資金やローンも含めて設計できる
一方で、短期滞在予定、住む地域がまだ固まっていない、RSH も未整備という場合は、今すぐ申請より先に基盤整備が優先です。
まとめ
DS1 は、チリで持ち家を目指す外国人家庭にも十分関係する制度です。 ただし本質は、募集時に申し込むことより、募集前に条件をそろえておくこと にあります。
押さえるべきポイントは次の3つです。
- RSH、住宅貯蓄、非持ち家要件が重要
- 購入と建築で見るべき Tramo が違う
- 直近募集が終わっている今こそ準備期間に向いている
次にやるべきこと
- 1購入か建築かを決める
- 2RSH と tramo を確認する
- 3vivienda 用 ahorro 口座を確認または作成する
- 4必要 UF と口座経過月数を把握する
- 5次回募集までに自己資金計画を固める
