ドイツで病院に行く前に知るべきこと。家庭医・専門医・112と116117の違いを解説
結論
ドイツで体調を崩したときに最初に知っておくべきことは、「いきなり大病院へ行く」のが基本ではないということです。
結論から言うと、ドイツで医療を受けるときに最初に押さえるべきなのは次の6点です。
- 1まず家庭医を持つ発想が大事
- 2法定保険の加入者は電子健康保険証を持って受診する
- 3専門医は直接予約できることもあるが、紹介状が必要な場合もある
- 4命に関わる緊急時は112
- 5命に関わらない急な症状で通常の診療所が閉まっているときは116117
- 6どこへ行くべきか分からないまま我慢しすぎない
ドイツ移住直後の人が困りやすいのは、「病院へ行きたいけど、まず何科に行けばいいのか分からない」「救急車を呼ぶほどではないが、今すぐ相談したい」といった場面です。ここで受診の流れを理解していないと、不安が大きくなります。
前提
まず前提として、ドイツでは家庭医、つまりHausarztやGPに近い役割を持つ診療所が、最初の相談窓口として重要です。公式案内でも、ドイツでは自分で医師を選ぶことができ、家庭医は検査や治療を調整する役割も持つと説明されています。つまり、家庭医は単に風邪を見る医者ではなく、日常医療の入口です。
また、法定健康保険に加入している人には電子健康保険証が発行され、受診時には毎回そのカードを持参するよう案内されています。これを持っていないと、その場で説明が増えたり、手続きがやや面倒になることがあります。
さらに、ドイツでは専門医に直接行けるケースもありますが、内容によっては紹介状が必要になることがあります。つまり、日本のように何となく大きい病院へ行けばいいというより、家庭医を起点にした方が流れを理解しやすいです。
実際の流れ
1. まず家庭医を探す
ドイツで生活するなら、体調が悪くなってから探すのではなく、元気なうちに家庭医候補を見つけておいた方が安全です。
公式案内では、ドイツでは患者が自分で医師を選べるとされています。つまり、住む地域や通いやすさを見ながら、自分に合う診療所を探すことができます。家庭医は、風邪や体調不良だけでなく、必要に応じて検査や専門医受診の調整も担います。
移住直後の人にとっては、次の条件で探すと実務的です。
・家や職場から通いやすいか ・英語対応の可能性があるか ・新規患者を受け入れているか ・予約方法が電話だけか、オンラインもあるか
「病気になったら探せばいい」と思うと、急に具合が悪いときにかなり困ります。
2. 受診時は健康保険証を持って行く
法定保険に加入している人は、電子健康保険証を持って受診します。公式案内でも、法定保険加入者には電子健康保険証が発行され、医師を受診するたびに持参するよう説明されています。
移住直後は、住民登録、銀行、在留許可、保険などが重なり、カードが手元に届いていない時期もあります。この場合は、自分がどの保険に入っているかを把握し、必要なら保険会社に確認した方がよいです。
受診のときに大事なのは、次の3つです。
・保険証 ・身分証 ・現在飲んでいる薬や既往歴のメモ
とくに持病がある人は、英語または可能ならドイツ語で簡単な説明を用意しておくとかなり助かります。
3. 必要なら家庭医から専門医につなぐ
体調不良や慢性的な症状がある場合、家庭医が最初に診て、その後に専門医受診を勧めることがあります。公式案内でも、専門医の予約では紹介状が必要な場合があると説明されています。
ここで移住者が誤解しやすいのは、「専門医へ行くには必ず家庭医が必要」か「家庭医は不要」のどちらかで考えてしまうことです。実際には、その中間です。直接予約できることもありますが、内容によっては紹介状が必要になることがあります。
つまり、よく分からない症状ほど、まず家庭医に相談した方が安全です。自分で診療科を間違えると、予約が長引いたり、受診し直しになったりします。
4. すぐ診てもらいたいが命に関わらないときは116117
ドイツ生活で非常に重要なのが116117の存在です。公式案内では、116117は命に関わらないが医療的支援が必要な場合の非救急オンコール医療サービスとして案内されています。通常の診療所が閉まっている時間帯でも、どこに行くべきか案内を受けたり、必要に応じて医師の往診につながることがあります。
たとえば、次のような場面です。
・夜や週末に高熱が出た ・急な痛みがあるが、命の危険までは感じない ・どの診療所が開いているか分からない ・救急外来へ行くべきか迷う
こういうときに、何も分からず我慢しすぎるより、116117を知っているだけでかなり安心感が違います。
5. 命の危険や重大なけがは112
一方で、命に関わる、または重い症状がある場合は112です。公式案内でも、生命の危険や重篤な傷病、重大なけがの可能性がある場合には112を使うよう明示されています。
具体的には、次のようなケースです。
・呼吸が苦しい ・意識障害がある ・激しい胸痛がある ・重い出血がある ・大きな事故や深刻な外傷がある ・脳卒中が疑われるような症状がある
ここで大切なのは、「迷ったら遠慮しすぎない」ことです。ドイツの医療で大事なのは、116117と112を正しく使い分けることです。
6. 救急外来は本当に必要なときに使う
公式案内では、重大なリスクがある場合は救急医療を使い、それ以外の急性症状では116117へ相談するよう整理されています。つまり、救急外来は万能窓口ではなく、優先度の高いケースのための場所です。
移住直後は制度が分からず、「とりあえず病院の救急へ行けばよい」と考えがちですが、非緊急なら116117経由で適切な案内を受ける方がよい場合があります。これを知っているだけで、不要な混乱を避けやすくなります。
よくある失敗
ドイツの受診で多い失敗は次の通りです。
- 1家庭医を持たず、具合が悪くなってから探す
- 2健康保険証を持たずに受診しようとする
- 3専門医はいつでもすぐ見てもらえると思う
- 4116117を知らず、夜間や休日に困る
- 5112を使うべき場面で我慢しすぎる
- 6逆に非緊急でも救急外来へ行けばよいと思ってしまう
特に多いのは、「病院へ行けば何とかなる」という感覚です。ドイツでは、家庭医、専門医、116117、112を分けて考える方が現実に合っています。
注意点
注意点は4つあります。
1つ目は、移住直後ほど家庭医を早めに見つけておくことです。受診の入口があるだけで、かなり安心感が違います。 :contentReference[oaicite:1]{index=1}
2つ目は、法定保険加入者は保険証を持参することです。受診のたびに必要になる前提で考えておいた方がよいです。 :contentReference[oaicite:2]{index=2}
3つ目は、専門医の受診では紹介状が必要な場合があることです。自己判断で進めるより、まず診療所に確認した方が無駄が少ないです。 :contentReference[oaicite:3]{index=3}
4つ目は、112と116117の違いを家族全員で共有しておくことです。とくに子どもがいる家庭では、夜間や休日に慌てないためにも重要です。 :contentReference[oaicite:4]{index=4}
判断基準
どこへ相談すべきか迷ったら、次の順番で考えると整理しやすいです。
まず、命の危険や重大なけががあるかを見る。あるなら112です。 次に、急いで診てもらいたいが命の危険まではないかを見る。その場合は116117です。 その次に、通常の体調不良や継続的な相談なら家庭医を使う。 さらに、専門的な診療が必要そうなら家庭医または診療所に紹介の要否を確認する。 最後に、保険証や必要情報を持って受診する。
この順番で考えると、ドイツの医療の入口で迷いにくくなります。
まとめ
ドイツで病院に行く前に本当に大事なのは、「どこへ行くか」を症状の重さで分けて考えることです。
日常の医療は家庭医が入口になりやすく、必要に応じて専門医へつながります。法定保険加入者は電子健康保険証を持って受診し、専門医では紹介状が必要な場合があります。さらに、非緊急の急性症状なら116117、命の危険があるなら112という使い分けを知っておくことが重要です。
この流れを理解しておけば、ドイツ移住直後に体調を崩しても、かなり落ち着いて動けるようになります。
次にやるべきこと
これからドイツで生活する人は、今日中に次の5点を整理してください。
- 1家や職場の近くで家庭医候補を探す
- 2健康保険証が手元にあるか確認する
- 3持病や服薬情報を英語でメモしておく
- 4116117と112の違いを家族で共有する
- 5専門医受診では紹介状が必要な場合があることを覚えておく
この5つを整理してから生活を始めると、ドイツでの受診で大きく失敗しにくくなります。
現在の記事数: 11 30本までの残り本数: 19
