ドイツの確定申告は必要?ELSTERの使い方と、やるべき人を移住者向けに解説
結論
ドイツで働き始めると、かなりの人が一度は「自分は確定申告をした方がいいのか」と迷います。
結論から言うと、ドイツの tax return は全員に強制ではありません。ただし、複数の雇用主がいるなど一定の場合は提出が義務になり、多くの人にとっては義務ではなくても出した方が得になる可能性があります。
最初に押さえるべきポイントは次の6つです。
- 1ドイツの確定申告は全員義務ではない
- 2複数の雇用主がいるなど、強制になるケースがある
- 3義務でなくても返金が出ることが多く、提出価値がある
- 4提出は ELSTER で自分でもできる
- 5会社員でも関係がある
- 6給与明細と tax return は別の話として理解する必要がある
つまり、ドイツの確定申告は「自営業だけのもの」ではありません。会社員でも十分関係があります。しかも、日本の年末調整の感覚で「会社が全部終わらせてくれる」と思っていると、もらえるはずの還付を逃したり、逆に義務提出を見落としたりしやすいです。
前提
ドイツでは、会社員の給与から雇用主が wage tax を源泉的に控除しています。そのため、毎月の給与支払い時点で税金は一定程度処理されています。
しかし、それで税務が完全に終わるとは限りません。Make it in Germany の公式案内では、年末後に income tax return を提出して、前年に払いすぎた税金がないか州が確認できると説明されています。また、一部のケースでは確定申告が compulsory であり、例えば複数の雇用主のもとで働いている場合が例として示されています。
ここで移住者がよく誤解するのは、「会社が税金を引いているなら、自分は何もしなくていい」という考え方です。実際には、源泉徴収と tax return は別です。前者は毎月の仮処理に近く、後者は年間の最終調整に近いと考えた方が分かりやすいです。
さらに、ELSTER はドイツ税務当局の公式オンラインポータルで、個人でも income tax return を電子提出できます。ELSTER の公式英語案内では、Mein ELSTER を使って income tax return を提出でき、簡易版の simplyELSTERplus も resident employees 向けに提供されていることが案内されています。
実際の流れ
1. まず自分が義務提出か任意提出かを分ける
最初にやるべきことは、「確定申告をするべきか」ではなく、「自分は義務提出か、任意提出か」を整理することです。
Make it in Germany の案内では、複数の雇用主がいる場合などは compulsory とされています。つまり、二つ以上の雇用関係が同時にある人や、特殊な税務事情がある人は、最初から提出前提で考えた方が安全です。
一方で、多くの一般的な会社員は voluntary のことが多いです。しかし voluntary だから不要とは限りません。税金が引かれすぎている可能性があり、出した方が還付されるケースがあります。
2. 会社員でも tax return を出す価値がある
ドイツの会社員にとって、tax return はかなり現実的なテーマです。
公式案内でも、「多くの人は義務ではないが、たいていお金が戻るので提出する価値がある」と説明されています。これは移住者にも当てはまります。特に、引っ越し、仕事開始時期のズレ、二重生活費、通勤費、語学・転居関連費用など、初年度は生活が不安定で経費的な要素が増えやすいからです。
つまり、会社員だから関係ないのではなく、むしろ移住直後の会社員ほど tax return の恩恵を受けやすいことがあります。
3. ELSTER を基本ルートとして理解する
ドイツで自分で tax return を出すなら、まず知っておくべきなのが ELSTER です。
ELSTER の公式英語ページでは、Mein ELSTER で income tax return を電子提出でき、さらに simplyELSTERplus はドイツ居住の単独申告の会社員向けに簡単な入力フローを提供していると案内されています。加えて、pre-filled tax return というサービスでは、雇用主が送った wage tax certificate や健康保険、年金関連などの電子データを呼び出せます。
ここで大事なのは、ELSTER は単なるフォーム置き場ではないということです。ドイツで tax return をやる公式の入り口であり、記録や通知の受け取りにもつながる土台です。
4. 給与明細と ELStAM を見ておく
Tax return を考える前に、自分の給与明細をある程度読める状態にしておくとかなり楽です。
ELSTER の公式案内では、現在の ELStAM は payslip に表示されると説明されています。つまり、どの tax features で毎月給与計算されているかは、給与明細を見ることで把握しやすいです。
ここでやるべきことは、次の確認です。
・税クラスは想定どおりか ・教会税の有無はどうなっているか ・雇用主が正しく給与証明を出していそうか ・年の途中で条件が変わっていないか
この確認をしておくと、tax return のときに「そもそも何が引かれていたのか」が分かりやすくなります。
5. 任意提出でも出す価値がある年を見極める
すべての年に必ず出すべきだと断言はできませんが、移住初年度や生活変化が大きい年はかなり価値があります。
たとえば次のような年です。
・年の途中からドイツで働き始めた ・途中で転職した ・引っ越しがあった ・複数の雇用があった ・大きな支出や制度変更があった ・家族状況が変わった
このような年は、税務上のズレが起きやすいです。だからこそ voluntary でも出す価値が高くなります。
6. 自分でやるか、支援を使うかを決める
公式案内でも、tax return は自分で ELSTER を使ってできる一方、income tax assistance association や tax consultant を使う選択肢も示されています。
つまり、全員が最初から自力でやる必要はありません。状況が単純なら ELSTER、自信がないなら支援、という考え方でよいです。特に初年度は生活や税務が複雑になりやすいので、難しければ無理に一人で抱え込まない方が安全です。
よくある失敗
- 1会社員だから tax return は無関係だと思う
- 2源泉徴収されているから完全に終わっていると思う
- 3複数雇用なのに義務提出を見落とす
- 4ELSTER 登録を後回しにする
- 5給与明細を見ずに tax return へ進もうとする
- 6voluntary だから意味がないと思ってしまう
注意点
1つ目は、義務提出か任意提出かを最初に分けることです。ここを曖昧にすると判断を間違えやすいです。
2つ目は、ELSTER は公式であり、個人でも使える現実的なルートだということです。
3つ目は、移住初年度の会社員ほど voluntary 提出に意味が出やすいことです。
4つ目は、給与明細と ELStAM の確認を先にした方が、申告の意味が見えやすいということです。
判断基準
迷ったら次の順番で整理すると分かりやすいです。
まず、自分が義務提出かどうか確認する。 次に、移住初年度や転職年など、返金が出やすそうな年かを見る。 その次に、給与明細と ELStAM を確認する。 さらに、ELSTER で自分でやるか、支援を使うか決める。 最後に、出さない理由ではなく、出す価値があるかで考える。
まとめ
ドイツの tax return は、自営業だけのものではありません。会社員でも十分関係があり、しかも多くの場合、任意でも出す価値があります。
大事なのは、自分が義務提出かどうかを整理し、そのうえで ELSTER を使って年間の税負担を見直すことです。移住初年度や生活変化の大きい年ほど、tax return は実務的な意味があります。
次にやるべきこと
- 1自分が義務提出か任意提出か確認する
- 2給与明細と ELStAM を確認する
- 3ELSTER アカウントを準備する
- 4移住初年度や転職年なら提出前提で考える
- 5難しければ支援利用も含めて決める
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