香港の中学進学はどう決まる?SSPA・DP・Central Allocationの仕組みを整理
結論
香港で子どもの中学進学を考えるときに最初に理解すべきことは、学校を自由に1校ずつ受けて決める感覚ではなく、SSPA という配分制度の中で進んでいくという点です。日本の受験の感覚で考えると、途中でかなり混乱します。
結論からいうと、香港の公立系中学進学は次の順番で理解すると整理しやすいです。
- 1SSPA は DP と CA の2段階だと理解する
- 2まず DP を使うかどうかを考える
- 3CA では school net と band の考え方が重要だと理解する
- 4保護者は選択順と提出期限の管理が仕事だと理解する
- 51校の合否だけでなく制度全体で考える
2026年度の SSPA では、DP の申請期間は 2026年1月2日から1月16日、結果公表は 2026年7月7日、登録は 7月9日と10日です。こうした日程感を先に押さえておくだけでも、かなり動きやすくなります。
前提
まず押さえたいのは、SSPA は Secondary School Places Allocation System の略で、香港の公立系中学進学の基本制度だということです。この制度は大きく Discretionary Places と Central Allocation の2段階に分かれます。
DP は、参加している secondary school が、自校の S1 定員のうち最大30%までを裁量で確保できる仕組みです。保護者にとっては「先に志望校へ直接出す枠」に近いですが、日本の一般受験とは違い、制度上のルールの中で動きます。2026年度では、各生徒は DP を最大2校までしか出せません。ここを超えると無効になるため、数打てばいいという世界ではありません。
その後にあるのが CA です。CA では、親の学校選択、子どもの allocation band、そして random number などに基づき配分されます。さらに香港全体は 18 の school nets に分かれており、原則として生徒の school net は通っている primary school の所在地で決まります。つまり、「家の住所だけで決まる」と単純に考えるとズレます。
また、CA の Choice of Schools Form は Part A と Part B に分かれており、Part A では最大3校まで unrestricted choices、Part B では自分の school net の secondary school list をもとに restricted choices を記入します。この構造を知らないまま学校名だけ集めても意味がありません。
実際の流れ
最初にやるべきことは、子どもが SSPA 参加校の小学校にいるのか、または non-participating route なのかを確認することです。ここで必要書類や導線が変わります。EDB の別案内では、SSPA 参加校でない小学校の生徒向けに別条件が整理されています。つまり、全家庭がまったく同じフォームと同じ入口とは限りません。
次に、DP を出すかどうかを考えます。DP は 2026年度で 1月2日から 1月16日までが申請期間です。各生徒は最大2校までです。学校ごとに selection criteria や面接の考え方が違うため、ここでやるべきことは「有名校を並べる」ことではなく、「子どもに現実的な2校を選ぶ」ことです。DP は district restriction がない一方、出せる数が少ないため、判断の質が重要になります。
その後、CA の準備に入ります。Choice of Schools Form は early May に primary school 経由で提出する流れです。DP を出していても出していなくても、原則このフォームの準備は必要です。もし DP で successful applicant として通知された場合は、CA の school choices 記入方法が変わりますが、それでも contact information の記入などは必要です。
CA では、Part A の unrestricted choices は最大3校までで、どの school net の学校でも書けます。一方 Part B は、自分の net に対応する Secondary School List に基づいて記入します。ここが SSPA の実務の中心で、学校名だけでなく school net の現実性が重要です。
また、EDB は SSPA e-Platform を用意しており、iAM Smart+ を使うと DP、CA、必要に応じた cross-net allocation の申請を電子的に行いやすくなります。2026年度案内でも、保護者に iAM Smart+ の早期登録が推奨されています。香港の中学進学は、制度理解に加えて、保護者のデジタル準備も効きます。
よくある失敗
最も多い失敗は、DP を一般受験のように考えることです。DP は自由競争に見えても、制度の中の一部です。2校までという制約を無視して発想すると戦略が崩れます。
次によくあるのは、school net を軽く見ることです。CA では自分の net の Secondary School List が大きく影響します。ネットの外の人気校情報ばかり見ていると、実際の選択肢とのズレが大きくなります。
また、DP だけに集中して CA の準備を後回しにするのも危険です。DP で決まらないケースも当然あるため、CA こそ現実的に整えておく必要があります。
さらに、保護者側が提出期限を管理できていないケースも多いです。香港の学校制度では、子どもが頑張るだけでなく、親がフォーム、日程、選択順を正確に扱うことが重要です。
注意点
香港の中学進学では、band や random number の存在が気になりやすいですが、保護者がコントロールできるのは「制度理解」と「選択の精度」と「期限管理」です。見えない要素より、見える要素を整える方が結果に直結します。
また、参加校でない小学校の生徒や、香港へ後から来た家庭では、通常の参加校ルートと必要条件が異なることがあります。その場合は EDB の non-participating school 向け案内を必ず確認した方が安全です。
判断基準
どのレベルまで制度理解できているかは、次の4つで判断できます。
1つ目は、DP と CA の違いを説明できるかどうかです。
2つ目は、DP が最大2校までだと把握しているかどうかです。
3つ目は、CA の Part A と Part B の違いを理解しているかどうかです。
4つ目は、自分の子どもの school net と提出期限を日付で言えるかどうかです。
まとめ
香港の中学進学制度 SSPA は、学校を選ぶ制度であると同時に、配分制度でもあります。DP と CA の二段階、18 school nets、Part A と Part B の仕組みを理解しないと、学校名だけ集めても前に進みません。
保護者に求められるのは、情報量ではなく整理力です。どの学校が有名かより、どの制度のどの段階で、何を、いつ出すかを理解した家庭の方が強いです。
次にやるべきこと
- 1子どもが参加校ルートかどうか確認する
- 2DP に出す候補を最大2校に絞る
- 3school net と CA のフォーム準備を早めに進める
この記事は香港の20本目の記事です。30本まであと10本です。
