2026年4月17日 公開

リトアニアの所得申告と税金還付ガイド

EDSの使い方、申告期限、還付の考え方、日本からの収入がある人の注意点まで実務目線で整理

リトアニアで働く・住む日本人向けに、所得申告、EDS、還付、海外収入、申告漏れを防ぐ考え方を実務レベルで解説します。

随時更新リトアニア
この記事のポイント

リトアニアで働く・住む日本人向けに、所得申告、EDS、還付、海外収入、申告漏れを防ぐ考え方を実務レベルで解説します。

作成日:

リトアニアの所得申告と税金還付ガイド

結論

リトアニアで生活しながら収入を得る人にとって、所得申告は後回しにしてよい手続きではありません。結論から言うと、会社員であっても自動的にすべて終わるとは限らず、リトアニアの税務上の居住者として扱われる人は、リトアニア国内外の収入を含めて年次所得申告の対象になる可能性があります。特に、日本からの顧問料や業務委託収入、投資収入、家賃収入などがある人は、給与所得だけの人よりも申告の重要性が高くなります。

公式系の案内では、年次所得申告は通常3月から始まり、翌年5月2日が提出期限です。また、正しく申告した結果、個人所得税を払いすぎていれば還付対象となり、2025年分を2026年5月2日までに申告した場合、還付は2026年7月31日までに行われる案内があります。つまり、所得申告は単に義務を果たす作業ではなく、払いすぎた税金を戻すためにも重要な手続きです。

日本人がリトアニア移住後によくやってしまう失敗は、雇用先が税金を処理しているから自分では何もしなくてよいと思い込むことです。しかし、実務では給与以外の収入があるか、年の途中で移住したか、複数の国にまたがる収入があるかで考え方が変わります。だからこそ、所得申告は税理士が必要かどうか以前に、自分の収入構造を整理して理解しておくことが大切です。

前提

まず前提として、リトアニアでは税務当局であるVMIの電子申告システムであるEDSを使って年次申告を行います。これは単なる申告フォーム提出サイトではなく、申告状況、通知、エラー連絡、各種税務手続きの窓口でもあります。そのため、リトアニアで長く生活する予定の人は、早い段階でEDSという存在を理解しておいた方が安全です。

次に大切なのは、税務上の居住者かどうかで見え方が変わることです。一般論として、リトアニアの税務上の居住者であれば、リトアニア国内で得た収入だけでなく、国外で得た収入も含めて申告が問題になることがあります。ここは非常に重要です。日本にまだ法人や顧客があり、ニュージーランドや日本など他国からお金が入る人は、「リトアニアで働いた分だけ考えればよい」とは限りません。

さらに、所得申告は税金を払うだけの行為ではありません。給与から毎月概算で差し引かれた税額と、最終的に本来払うべき額を調整する意味があります。そのため、年末時点で税金を払いすぎていれば還付されることがあります。逆に足りなければ追加納付が必要になります。つまり、申告は怖いものというより、最終精算の場です。

実際の流れ

実務では、所得申告を次の6段階で進めると失敗しにくいです。

1段階目は、自分の収入源をすべて洗い出すことです。リトアニアの給与、日本からの顧問料、事業収入、投資配当、家賃収入、利息、その他の受取金を、まず一覧にします。ここで「大きいものだけ」で考えると漏れが出やすくなります。海外収入がある人は特に、国ごと、性質ごとに分けて整理した方が後で圧倒的に楽です。

2段階目は、自分が税務上どの立場にあるかを確認することです。リトアニアの税務上の居住者に当たるのか、非居住者なのかで、申告対象収入の範囲が変わります。ここを曖昧にしたまま入力を始めると、後で修正が必要になりやすいです。複数国にまたがる生活をしている人ほど、この論点を軽く見ない方がよいです。

3段階目は、EDSに入る準備です。リトアニアで銀行口座や電子認証が整っている人は、比較的進めやすくなります。申告時期が始まってから慌てるのではなく、ログイン手段があるか、必要情報を確認できるかを先に見ておくとスムーズです。

4段階目は、事前入力情報と実際の収入を突き合わせることです。給与情報など一部は反映されていても、それですべてが完璧とは限りません。特に海外収入や個人事業的な収入がある人は、自分で足すべき情報がある可能性があります。ここで「表示されているから全部合っているはず」と思い込むのは危険です。

5段階目は、還付か追加納付かを確認することです。給与から概算で引かれた税額が多ければ還付になり、少なければ追加納付になります。還付を期待する人ほど、申告をしないと何も戻りません。反対に、追加納付が必要な人は期限管理が重要になります。

6段階目は、申告後の記録保管です。申告内容、入力根拠、海外収入の資料、送金の性質、関連証憑を保管しておくことが大切です。翌年の申告や、在留・銀行・ローン・監査的な説明が必要な場面で役立つことがあります。

よくある失敗

最も多い失敗は、会社員だから自分は申告不要だと思ってしまうことです。給与だけなら比較的単純でも、日本からの収入や副業収入、複数の支払元がある場合は事情が変わります。特に移住1年目は、年の途中で国をまたいでいることが多く、単純に考えない方が安全です。

次に多いのが、日本の口座に入るお金はリトアニアと関係ないと考えることです。税務は受取口座の場所だけで決まるわけではありません。どこで生活していて、どの立場で、どんな収入を得ているかが重要です。ここを誤解すると、申告漏れにつながります。

三つ目は、還付だけ気にして申告全体を雑に進めることです。たしかに払いすぎ税金が戻るのは大事ですが、申告の本質は収入全体の整理です。還付だけを期待して不正確に出すより、正しく整理することを優先すべきです。

四つ目は、申告後の根拠資料を残さないことです。海外送金や事業収入の説明が必要になった時、資料がないと自分で説明しにくくなります。

注意点

注意点の一つ目は、日本とリトアニアで二重に考えなければならない論点があり得ることです。複数国にまたがる収入がある人は、どこで何を申告し、どのように二重課税調整を考えるかを雑にしない方がよいです。単純な国内給与だけの人とは難易度が違います。

二つ目は、税務と銀行・在留を別々に考えないことです。日本からの継続収入、海外送金、事業売上は、税務上だけでなく、銀行のKYCや将来的な在留説明に影響することがあります。だからこそ、収入の性質を自分で一貫して説明できる状態にしておくことが大切です。

三つ目は、期限の最終日を作業開始日にしないことです。5月2日は提出期限であって、準備開始日ではありません。国外収入がある人は特に、もっと前から資料整理を始めた方が安全です。

判断基準

自分が慎重に申告すべきかどうかは、次の5点で判断できます。第一に、リトアニア以外からの収入があるか。第二に、年の途中で移住したか。第三に、給与以外の収入があるか。第四に、日本側でも税務論点があるか。第五に、銀行や在留の説明でもその収入を使う可能性があるかです。

この5点のうち一つでも当てはまるなら、所得申告を単純な年中行事として扱わない方がよいです。逆に、リトアニア国内の単純な給与だけで構成されているなら、比較的整理しやすいです。それでも、申告対象や還付可能性の確認はしておいた方が安心です。

まとめ

リトアニアの所得申告は、税務義務であると同時に、収入構造を整える作業でもあります。会社員だから不要、海外収入は関係ない、年末調整のようなものだろうという思い込みが、移住者には最も危険です。特に日本からの収入がある人は、給与以外の収入も含めて見直す必要があります。

還付があるかどうかも大切ですが、それ以上に重要なのは、どこからどんな収入を得ているかを自分で把握し、リトアニア側で説明できる状態にしておくことです。これができていれば、税務だけでなく銀行や在留の場面でも強くなります。

次にやるべきこと

まず、自分の収入源を国別と種類別に一覧にしてください。次に、リトアニアの給与、日本からの顧問料、その他の収入があるかを整理し、年次申告で何を確認すべきかを見える化します。そのうえで、EDSに入れる状態か、必要資料がそろっているかを確認するのが正しい順番です。

給与だけでなく海外収入がある人は、期限直前ではなく早めに整理を始めた方が安全です。申告は早く動く人ほど楽になります。

体験者の声

実際にNZで生活した方々の体験談

まだ体験談はありません。

最初の投稿をしてみましょう

あなたの体験をシェアする

一言でもOKです。写真があれば一緒に投稿できます

0/500

写真を追加する

JPG・PNG・WebP / 最大5枚

関連記事

よくある質問

同じカテゴリの記事

他のガイドカテゴリ