2026年4月17日 公開

スイスで病欠したときの基本。診断書、給与継続、解雇保護を整理する

病欠時の初動、3日目目安の診断書、給与が続く仕組み、試用期間との違いを実務目線で整理

スイスで病気により働けなくなった人向けに、病欠の基本を解説。雇用主への連絡、3日目目安の診断書、給与継続の2つの仕組み、試用期間とその後の解雇保護、通知期間停止まで実務目線で整理しました。

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スイスで病気により働けなくなった人向けに、病欠の基本を解説。雇用主への連絡、3日目目安の診断書、給与継続の2つの仕組み、試用期間とその後の解雇保護、通知期間停止まで実務目線で整理しました。

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スイスで病欠したときの基本。診断書、給与継続、解雇保護を整理する

スイスで働き始めると、風邪、メンタル不調、妊娠中の体調悪化、手術後の療養など、病気で働けなくなる場面は誰にでも起こりえます。そのとき多くの人が不安になるのが、「何日休めるのか」「給与は出るのか」「診断書はいつ必要か」「会社から解雇されるのではないか」という点です。

日本の感覚だと、有給休暇や傷病手当のイメージで考えがちですが、スイスでは sickness benefit insurance の有無や勤続年数によって見え方が変わります。また、病欠中の解雇には一定の保護がありますが、試用期間中は扱いが違います。この差を知らないと、不必要に不安になったり、逆に油断して重要な権利を見落としたりします。

この記事では、スイスで病欠したときの基本を、移住者にも分かりやすく実務目線で整理します。

結論

結論からいうと、スイスで病気で働けないときは、まず雇用主へできるだけ早く連絡し、通常は3日後に診断書を提出することが基本です。そして給与継続は、雇用主に sickness benefit insurance があるかどうかで大きく二つに分かれます。

多くの雇用主は sickness benefit insurance に加入しており、その場合は900日中720日または730日分の給与継続がある仕組みが一般的です。もし雇用主にその保険がなければ、雇用主は初年度3週間、その後は勤続年数に応じてより長い期間、給与を払い続ける義務があります。ただし具体的期間は地域ルールで異なります。

さらに重要なのは、病欠中には解雇保護があることです。試用期間後であれば、勤続1年目は30日、2〜5年目は90日、6年目以降は180日、病欠中の解雇から保護されます。ただし、試用期間中は雇用主が解雇できます。この一点は非常に大きいです。

前提

まず前提として、病欠と事故休業は別制度です。事故については別記事で整理したとおり、事故保険が中心になります。一方、病気は sickness benefit insurance や雇用主の給与継続義務が中心です。同じ「休んでいる状態」に見えても、制度の入り口が違います。

次に、スイスでは病欠したら自動的に全部手続きされるわけではありません。本人からの連絡、診断書の提出、場合によっては保険会社とのやり取りが必要です。つまり、ただ休むだけではなく、休み方にも実務ルールがあります。

また、解雇保護があるから絶対に雇用が守られる、という理解も正確ではありません。保護には期間制限があり、試用期間中は適用されません。さらに、保護期間が終われば解雇可能性は戻ります。この制度は「永久保護」ではなく、「一定期間の防波堤」と考えた方が実務に合います。

実際の流れ

病気で出勤できないと判断したら、最初にやるべきことは雇用主へすぐ連絡することです。誰に、どの手段で、何時までに連絡するかは会社ルールに従います。ここを守らないと、病気そのものではなく連絡義務違反の話になりやすいです。

次に、診断書の要否を確認します。一般的には3日後に診断書が必要ですが、会社によっては初日から求める場合もあります。doctor’s certificate に partial incapacity が書かれることもあり、その場合は週または日の最大労働時間が記載されます。

その後は、給与継続の仕組みを確認します。多くの会社では sickness benefit insurance があり、その保険を通じて長めの給与継続が行われます。ない場合は、雇用主が地域ルールに基づいて一定期間給与を払い続けます。ここは会社の人事または payroll に確認しないと、自分のケースがどちらか分からないことがあります。

病欠が長引く場合は、解雇保護期間も確認します。もしすでに解雇通知を受けた後に病気になったなら、通知期間は病欠期間中いったん止まり、復職可能になってから再開します。このルールは非常に重要で、退職日計算に直接影響します。

よくある失敗

一番多い失敗は、病欠の連絡を遅らせることです。体調が悪いと連絡自体が負担になりますが、連絡義務を果たさないと別の問題になりやすいです。

次に多いのは、診断書のタイミングを曖昧にすることです。一般ルールとして3日後が目安でも、会社ルールはもっと早いことがあります。自己判断で待たない方が安全です。

三つ目は、病欠中の給与は当然100%ずっと出ると思い込むことです。実際には保険の有無、契約、地域ルールで見え方が変わります。雇用主に確認すべき論点です。

四つ目は、病欠中なら解雇されないと過信することです。試用期間中は解雇可能であり、試用期間後も保護は一定期間だけです。この差を知らないと、住まい契約や大きな支出判断を誤りやすくなります。

注意点

注意点として、病欠中は原則として働いてはいけません。保険会社が給付している間に働くと、後で返還請求を受ける可能性があります。副業や在宅の軽作業も自己判断で始めない方が安全です。

次に、メンタル不調や妊娠関連の病欠も、医師が就労不能と判断すれば制度上の病欠として扱われます。自分で「この程度は病欠にならない」と決めつけないことが大切です。

また、自営業は会社員と同じ扱いではありません。この記事は主に雇用契約のある従業員向けです。自営業は別途の備えが必要です。

判断基準

最初に確認すべき判断基準は四つです。試用期間中かどうか、診断書がいつ必要か、雇用主に sickness benefit insurance があるか、今の病欠が解雇通知期間と重なっているか。この四つです。

これが分かれば、自分の病欠が給与面でどう扱われるか、解雇保護がどこまで働くかがかなり見えます。スイスの病欠制度は複雑に見えても、この整理をすると実務的に動きやすくなります。

まとめ

スイスで病欠したときは、まず雇用主への早い連絡と、通常3日目を目安にした診断書対応が基本です。給与継続は sickness benefit insurance の有無で分かれ、病欠中には一定期間の解雇保護があります。ただし、試用期間中はその保護がありません。

移住者にとって重要なのは、病欠を感覚で処理せず、連絡、診断書、給与、解雇保護を分けて整理することです。ここを理解しておくだけで、不調時の不安はかなり減ります。

次にやるべきこと

次にやるべきことは、自分の雇用契約と会社ルールを確認し、病欠時の連絡先、診断書提出タイミング、sickness benefit insurance の有無をメモしておくことです。

体調が悪くなってから慌てるより、元気なうちにルールを把握しておく方が、スイスでの働き方はずっと安定します。

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