タイの90日レポートとTM30は何が違う?長期滞在者が混同しやすい2つを整理
結論
タイの長期滞在者が最も混同しやすい手続きの一つが、90日レポートと TM30 です。どちらも入国管理局が関わるため、同じもののように感じる人が多いのですが、実際には役割も提出者も目的も違います。ここを曖昧にすると、「ホテルに泊まったから 90日レポートも済んだはず」「自分で TM30 を出したから 90日レポートは不要」といった誤解につながります。
まず、90日レポートは、タイに 90日を超えて滞在する外国人本人の居住報告です。入国管理局の公式案内では、90日超滞在の外国人は報告が必要であり、オンライン申請は期限の15日前から使えると案内されています。つまり、これは本人の在留管理に関わる継続的な報告です。
一方で TM30 は、居住先を提供する側の residence notification です。入管サイトや各地方入管の英語ページでも、TM47 の 90日レポートと、TM30 の notification of residence of foreign national form for house owners and heads of household は別メニューとして並んでいます。つまり、TM30 は原則として house owner、head of household、hotel など居住先側の責任で出す通知であって、90日レポートと代替関係にはありません。
結論として、タイで長期滞在する人が最初に整理すべきことは3つです。 1つ目は、90日レポートは外国人本人の届出だということ。 2つ目は、TM30 は居住先側の通知だということ。 3つ目は、両方とも入管関係だが、片方をやれば片方が不要になるわけではないと理解することです。
前提
まず前提として、タイの在留管理は「入国したら終わり」ではありません。むしろ、長く住む人ほど、入国後の居住情報管理が中心になります。その中でも代表的なのが 90日レポートと TM30 です。
90日レポートは、外国人本人が「タイ国内に継続して滞在している」ことを報告する仕組みです。これに対して TM30 は、「この住所に外国人が居住している」ことを house owner、head of household、hotel などが届ける仕組みです。つまり、同じ住所情報を扱っているように見えても、報告主体が違います。
この違いは非常に大きいです。90日レポートは、自分の長期滞在管理を維持する上で重要です。一方、TM30 は引っ越し、ホテル滞在、家主変更などで関係しやすいです。どちらも大切ですが、役割が異なるため、同じ発想で処理してはいけません。
また、90日レポートにはオンライン導線があります。公式案内では、オンライン報告は期限の15日前から可能とされています。ただし、オンラインが使えることと、自分のケースが必ずオンラインで最後まで通ることは同じではありません。条件や情報整合によっては窓口対応が必要なケースもあります。
実際の流れ
実務では、まず自分の滞在が 90日を超えるかどうかを確認します。就労、家族滞在、退職、留学など、長期滞在なら基本的に 90日レポートが視野に入ります。ここで重要なのは、単にカレンダーで3か月後を覚えるのではなく、最後の入国日や報告履歴を基準に管理することです。
次に、住んでいる場所の TM30 の扱いを確認します。ホテルなら通常はホテル側が処理に慣れていますが、コンドミニアム、知人宅、個人オーナー物件では曖昧になりやすいです。ここでは「自分で出すかどうか」より先に、「誰が、いつ、どういう形でやる想定なのか」を確認すべきです。
その後、自分側では 90日レポートの期限管理を行います。オンラインで行う場合は、公式サイトの案内どおり、期限の15日前から準備するとよいです。ギリギリだと、修正や窓口対応の余地がなくなります。
また、引っ越しやホテル宿泊、一時的な移動があったときは、TM30 と 90日レポートを別々に考えます。TM30 は居住先変更の話であり、90日レポートは本人の長期滞在報告です。似て見えるため混乱しやすいですが、ここを分けて考えるだけで管理がかなり楽になります。
よくある失敗
最も多い失敗は、TM30 と 90日レポートを同じものだと思うことです。これは本当によくある誤解です。どちらも入管案件で住所が関わるため、片方だけで済むと考えてしまう人が多いです。
次に多いのが、TM30 は常に外国人本人が出すべきものだと思うことです。実際には residence notification の考え方なので、住居提供側の役割が中心です。もちろん実務上は外国人本人が確認・補助した方が安全ですが、制度上の役割は同じではありません。
さらに多いのが、90日レポートを単なるビザ更新だと勘違いすることです。90日レポートは居住報告であり、滞在資格そのものを延ばす手続きではありません。ここを混同すると、「延長したばかりだから不要」と考えてしまうことがあります。
もう一つは、オンラインでできるから完全に自動だと思うことです。オンライン導線は便利ですが、情報不一致や個別事情で窓口になることもあります。オンラインに頼りきりではなく、期限そのものを管理することが重要です。
注意点
注意点は3つあります。
1つ目は、90日レポートは外国人本人の義務として理解することです。 2つ目は、TM30 は居住先側の通知であり、役割が違うことです。 3つ目は、似ているからこそ別々にカレンダー管理することです。
特に、引っ越しや再入国がある人は、前回の記憶だけで処理しない方がいいです。住所と滞在起算の両方が変わる可能性があるため、その都度リセットして考える方が安全です。
判断基準
自分の在留管理が整理できているかは、次の基準で判断できます。
第一に、90日レポートと TM30 の違いを口頭で説明できるか。 第二に、今の住居で TM30 を誰が処理するか分かっているか。 第三に、90日レポートの次回期限を把握しているか。 第四に、オンラインが通らない場合の代替手段も見えているかです。
この4つがそろっていれば、かなり混乱しにくくなります。
まとめ
タイの 90日レポートと TM30 は、名前が並んで出てくるため同じもののように見えますが、実際にはまったく別の役割です。90日レポートは外国人本人の長期滞在報告、TM30 は居住先側の residence notification です。
この違いを理解するだけで、タイの在留管理はかなり分かりやすくなります。大事なのは、どちらか片方を済ませて安心するのではなく、それぞれを別の手続きとして管理することです。
次にやるべきこと
- 1次回の 90日レポート期限を確認する
- 2現在の住居で TM30 を誰が出しているか確認する
- 390日レポートは本人の管理項目としてカレンダーに入れる
- 4オンライン導線を事前に確認する
- 5引っ越しや再入国時は TM30 と 90日レポートを別々に見直す
この記事はタイ記事の26本目です。 現在の記事数は26本、30本まで残り4本です。
