2026年4月13日 公開

タイで働く前に知るべき最低賃金と労働時間。2025年改定後の見方を整理

月給の見た目だけで判断すると危ない。日額最低賃金と労働時間のルールは別で動く

タイで就職・転職する人向けに、2025年の最低賃金改定、地域差、労働時間、休日、残業割増の基本を実務ベースで整理します。

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タイで就職・転職する人向けに、2025年の最低賃金改定、地域差、労働時間、休日、残業割増の基本を実務ベースで整理します。

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タイで働く前に知るべき最低賃金と労働時間。2025年改定後の見方を整理

結論

タイで仕事を探すとき、給与額だけで会社を比較してしまう人は多いですが、本当に先に見るべきなのは「その給与が、どの地域の最低賃金と労働時間ルールの上に載っているのか」です。タイは最低賃金が全国一律ではなく、地域や一部業種によって差があります。さらに、月給表示だけを見ていると、労働時間や休日の条件が見えなくなりやすいです。

2025年の Wage Committee Notification No.14 では、2025年7月1日からの最低賃金改定が示されました。400バーツの日額最低賃金が適用されるのは、全国のホテル業の一部区分、全国の service establishment business、そしてバンコク、チャチューンサオ、チョンブリ、プーケット、ラヨーン、スラタニー県のサムイ郡です。一方で、その他の地域は 380、372、359 など細かく分かれており、最も低い地域は 337 バーツです。つまり、タイでは「最低賃金はいくらか」という問い自体が、地域と業種をセットで見ないと意味を持ちません。

また、最低賃金の「1日」は何時間でもよいわけではありません。同じ告示では、危険有害業務なら7時間、それ以外の業務なら8時間を超えない通常労働時間を前提とする整理が示されています。さらに Labour Protection Act の考え方では、通常の労働時間は1日8時間、週48時間が基本です。したがって、採用条件を見るときは、日額や月給だけでなく、週何日、1日何時間、残業がどれくらいあるかまで一緒に見なければいけません。

結論として、タイで働く前に最初に整理すべきことは3つです。 1つ目は、自分の勤務地の最低賃金がいくらか。 2つ目は、その会社の通常労働時間が法的な枠に収まっているか。 3つ目は、残業・休日出勤の割増がどう計算されるかです。

前提

まず前提として、タイの最低賃金は「全国どこでも同じ」ではありません。日本でも都道府県差はありますが、タイも同様に地域差があり、しかも一部は業種別加算のような形になっています。

2025年の告示 No.14 では、400 バーツの適用対象がかなり明確に示されています。全国一律で400ではありません。ホテル業でも category 2, 3, 4 に限られており、サービス業も法律上の service establishment business に限られます。また、地域としてはバンコクや一部観光・工業地域が400で、他地域はそれぞれ別水準です。つまり、タイで「最低賃金400」と言われたとき、それが自分の職場に本当に当てはまるかは確認が必要です。

次に、労働時間の前提があります。Labour Protection Act とその周辺の公式説明では、通常労働時間は1日8時間、週48時間を超えないことが基本です。危険・有害な仕事ではさらに短くなります。ここで大事なのは、「タイは月給だから時間は曖昧」と思わないことです。実際には法的な枠があります。

さらに、労働省の権利案内では、伝統的祝日は年間13日以上、ナショナル・レイバー・デーを含むこと、休日労働や休日残業の割増賃金の考え方も示されています。特に休日残業は3倍賃金の考え方が出てくるため、現場によってはかなり重要です。タイの求人票は、基本給だけでは実態が見えないことが多いです。

実際の流れ

実務では、まず採用条件を見た時に「勤務地」と「業種」を切り離さずに確認します。バンコク勤務なのか、地方都市なのか、ホテルなのか、一般事務なのかで、最低賃金ラインが変わる可能性があるからです。

次に、給与表示の形式を見ます。 月給か。 日給か。 試用期間中は別か。 サービスチャージや手当込みか。 固定残業代込みか。 このあたりが曖昧だと、表面上の数字だけ良く見えることがあります。

その後、労働時間を確認します。週6日勤務なのか、週5.5日なのか、1日8時間か、シフト制か。タイではサービス業や小売、飲食、ホテルなどでシフトが大きく変わりやすいので、就業時間が固定かどうかも重要です。

残業については、残業の有無より「同意の取り方」と「支払い方法」が大事です。労働法上、通常の残業は本人同意が基本で、休日労働や休日残業も割増賃金が発生します。特に休日残業の3倍というルールは、表向きの給与額以上に生活へ効いてくることがあります。

よくある失敗

最も多い失敗は、バンコクの求人と地方求人を同じ感覚で比べることです。最低賃金水準も、物価も、通勤負担も違うため、単純比較は危険です。

次に多いのが、月給だけ見て「高い」と判断することです。実際には、長時間勤務、週6日、固定残業込みで見かけ上高いだけというケースもあります。最低賃金を上回っていても、条件全体で見ると割に合わないことがあります。

さらに多いのが、ホテルやサービス業の 400 バーツ報道をそのまま全職種に当てはめることです。2025年の改定は対象業種・対象地域が明確なので、自分の仕事に直結するか確認しなければ意味がありません。

もう一つは、休日と残業の割増を軽く見ることです。タイは基本給よりも、休日出勤やシフト手当を含めた実収入の差が大きくなることがあります。

注意点

注意点は3つあります。

1つ目は、最低賃金は地域差と業種差があることです。 2つ目は、最低賃金と月給提示額は別の話だということです。 3つ目は、労働時間と休日割増を一緒に見ないと実態が分からないことです。

特に外国人は、ビザサポートがあるだけで条件を甘く見てしまうことがあります。しかし、長く働くなら賃金・時間・休日の3点は必ず確認した方がいいです。

判断基準

その仕事が条件面で妥当かどうかは、次の基準で判断できます。

第一に、勤務地の最低賃金と比べて十分か。 第二に、通常労働時間が法の枠内か。 第三に、休日と残業の割増が説明されているか。 第四に、固定残業や各種手当込みで数字を大きく見せていないかです。

この4つを見れば、求人票の見え方がかなり変わります。

まとめ

タイで働くときに大切なのは、給料の数字だけで判断しないことです。2025年の最低賃金改定で 400 バーツの対象は広がりましたが、全国一律ではありません。しかも、労働時間や休日割増まで見ないと、本当の待遇は分かりません。

就職や転職で失敗しないためには、最低賃金、通常労働時間、残業・休日出勤の3点をセットで確認することです。見落としやすいですが、ここが生活の安定を左右します。

次にやるべきこと

  1. 1勤務地の最低賃金を確認する
  2. 2業種が400バーツ特例の対象か確認する
  3. 3週何日・1日何時間か確認する
  4. 4残業と休日出勤の割増計算を確認する
  5. 5月給の内訳を基本給と手当に分けて確認する

この記事はタイ記事の17本目です。 現在の記事数は17本、30本まで残り13本です。

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