台湾の労退6%は何?外国人も対象?新労退制度の基本を解説
結論
台湾で働き始めると、給与だけでなく「労退6%」という言葉が気になるようになります。結論から言うと、これは台湾の新しい労働年金制度で、雇用主が労働者の月給の6%以上を個人年金口座へ拠出する仕組みです。重要なのは、これは原則として会社が負担するものであり、本来この6%をそのまま労働者の給与から差し引くものではないという点です。
さらに、外国人は全員が同じ扱いではありません。台湾では以前、外国人の対象範囲に制限がありましたが、2026年1月1日以降は、専門的な仕事に従事する foreign professionals と foreign specialist professionals が、新労退制度の対象に入る仕組みがより明確になりました。つまり、今までの古い体験談をそのまま信じると判断を誤りやすいです。
台湾で働くうえで大切なのは、給与明細の手取りだけでなく、自分が労退制度の対象か、会社が正しく6%以上を拠出しているか、そして自分で任意拠出する価値があるかを理解することです。これは将来の年金の話であると同時に、今の雇用が法的に整っているかを見る指標でもあります。
前提
台湾の新労退制度では、BLI の公式案内で、雇用主は労働者の月給の6%以上を個人口座へ拠出しなければならないと明示されています。これは制度の柱です。しかもこの口座は労働者本人に紐づき、転職しても持ち運びできるという特徴があります。つまり、特定の会社に縛られず、自分の働いた履歴が年金口座に積み上がる構造です。
また、BLI の制度説明では、制度対象者として、労基法が適用される台湾人に加え、外国人配偶者、永住を持つ外国人、foreign professionals、foreign specialist professionals などが挙げられています。さらに2026年2月のBLIニュースでは、Foreign Professionals Act の改正により、2026年1月1日から professional work に従事する foreign professionals と foreign specialist professionals は、永住の有無にかかわらず新労退制度の対象になると明示されています。ここは今の台湾就労を考えるうえで非常に重要です。
さらに、新労退制度では、労働者本人が任意で追加拠出できる仕組みもあります。BLI の説明では、本人は月給の最大6%まで追加で任意拠出でき、これは税制上の優遇にもつながる考え方が示されています。つまり、制度は会社負担だけで終わりではなく、本人の資産形成とも関係します。
実際の流れ
台湾で就職したら、まず自分が新労退制度の対象属性かを確認します。一般的な会社員でも、在留資格や職種で見え方が違う場合があるため、「外国人だから対象外だろう」と思い込まない方がよいです。特に専門職として就労している人は、2026年改正の影響を確認する価値があります。
次に、会社へ労退拠出の処理状況を確認します。ポイントは、雇用主が6%以上を拠出しているか、そしてその分を違法に賃金から差し引いていないかです。BLI のFAQでも、雇用主が負担すべき6%を労働者の賃金から差し引くことは適法ではないという趣旨の論点が示されています。つまり、給与明細で不自然な控除がある場合は見過ごさない方がいいです。
そのうえで、必要なら自分の任意拠出を考えます。これは全員がやるべきものではありません。台湾にどれくらい住むつもりか、今後の働き方、日本側資産との兼ね合い、税務上のメリットをどう考えるかによって判断が分かれます。ただし、制度を知らないままゼロ判断するのはもったいないです。
さらに、新労退制度は60歳以降の受け取りが基本になります。BLI の制度説明では、60歳に達すれば就労の有無にかかわらず受給開始でき、15年以上の年資があれば月払いまたは一時金、15年未満なら一時金が基本となっています。だから、短期滞在の外国人にとっては使い方の感覚が台湾人と異なることもあります。
よくある失敗
最も多い失敗は、労退6%が「給与から引かれるもの」だと誤解してしまうことです。会社が払うべき分と、本人が任意で追加する分は別です。この区別が曖昧だと、給与明細を見ても異常に気づけません。
次に多いのは、外国人は関係ないと古い情報で判断することです。台湾の外国人就労制度は近年変化しており、2026年の改正も入っています。過去の体験談だけで判断すると、対象なのに放置してしまう可能性があります。
また、転職したら積立が消えると思っている人もいます。しかし新労退制度の大きな特徴はポータブルであることです。会社が変わっても個人口座に積み上がるので、短期転職が多い人ほど理解しておく価値があります。
注意点
労退制度の対象性は、労基法適用の有無や在留資格、職種で細かく見方が変わることがあります。一般論だけで断定せず、雇用契約と会社の処理、BLI案内の3つを照らして確認するのが安全です。
また、制度の対象であっても、会社側の実務処理が遅れたり、本人が理解していなかったりすることがあります。給与明細だけで見えない部分もあるため、必要に応じて会社へ確認する姿勢が大切です。
判断基準
判断基準は4つです。1つ目は自分が制度対象か、2つ目は会社が6%以上を拠出しているか、3つ目はその6%が給与から不当に引かれていないか、4つ目は自分が任意拠出する価値があるかです。この4つが見えれば、かなり整理できます。
迷ったら、まず「自分は対象か」「会社は払っているか」の2点に絞って確認すると進めやすいです。資産形成の判断はその後でも遅くありません。
まとめ
台湾の労退6%は、会社が負担する新労退制度の基本であり、給与の一部として軽く見てよいものではありません。特に外国人は、2026年の制度改正で対象範囲が変わっているため、古い理解のままだと損をしやすいです。台湾で働くなら、手取りだけでなく、労退口座が正しく積み上がっているかまで見ておくことが大切です。
次にやるべきこと
- 1自分の在留資格と職種で労退対象か確認する
- 2会社へ6%以上の拠出処理を確認する
- 3給与明細で不自然な控除がないか確認する
- 4任意拠出の仕組みと税効果を把握する
- 5転職しても個人口座が持ち運ばれることを理解しておく
現在の台湾記事数:24本 30本までの残り本数:6本
